コラム「SDGsと熊本市」

 SDGs(エス・ディー・ジーズ)という言葉を聞く機会が増えてきました。

 SDGsは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)[1]」の略称です。2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。世界のすべての人が幸せになるためにみんなで取り組む17の目標のことです。それらを達成するための具体的な169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。17の目標の内容は、貧困、飢餓、健康、教育、安全な水、エネルギー、働きがい、経済成長、まちづくり、気候変動、海・陸の環境など広範なものであり、世界全体で取り組む壮大なものです。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。


 熊本市は国から令和元年度(2019年度)のSDGs未来都市及び自治体SDGsモデル事業に選定[2]されました。自治体SDGsモデル事業は、「熊本地震の経験と教訓をいかした地域(防災)力の向上事業」というプロジェクトです。具体的には 平成28年に発生した熊本地震での経験をいかし、自主自立のまちづくりを行う「地域主義」という基本理念にもとづいた 「地域(防災)力の向上事業」により地域単位の防災力を高めるとともに、地域エネルギー会社(スマートエナジー熊本)を軸にした、地域エネルギーの地産地消、 EVによる電力供給、EVバスの導入促進等によりエネルギー(電力)を核としたライフラインの強靭化を促進するものです。
 スマートエナジー熊本は、事業の実施を通じて、ゴール7「すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する」やゴール9「災害に強いインフラをつくり、みんなが参加できる持続可能な経済発展を進め、新しい技術を生み出しやすくする」、さらにはゴール11「まちや人びとが住んでいるところを、だれもが受け入れられ、安全で、災害に強く、持続可能な場所にする」に貢献していきます。

 


[1] 外務省JAPAN SDGs Action Platform 「SDGsとは?」https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html

[2] 熊本市「SDGs未来都市について」https://www.city.kumamoto.jp/hpkiji/pub/detail.aspx?c_id=5&type=top&id=24680